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天使の友人4~無欲の霊能者~

※この記事はフィクションではありません。

(当HPへの掲載は本人の承諾を得ています)

 

 彼女の語る世界観は、一見「キリスト教」の概念と多くの類似点があるように思われます。

 

 しかし、先の記事でも触れさせて頂きましたように、当の彼女は「実際の神と宗教は全くの別物」と断言してしまうくらい、「宗教」には関心を持っていません。
 よって、もし彼女がキリスト教をベースにした「誇大妄想狂」の類なのだとすれば、その世界観の一番の情報源となり得るであろう「聖書」について、彼女が「あんな幼稚園の話みたいなの関心すら沸かない(実際の言葉)」と、躊躇なく言い捨ててしまっているような現状には違和感を覚えます。

 

 ただ、やはり私は、知り合った当初から彼女の語る世界の話が、「現実」として受け入れるにはあまりにもスケールの大きな話ばかりであったため、きっと「神の世界」以外の「答え」がどこかにあるはずだとも考えて来ました。

 

 つまり私は、割とごく最近まで彼女という存在に対して、「自分自身を聖人だと信じ切っている強力な霊能者ではないのか?」とも考えてきたのです。

 

 しかし、だとすれば彼女の「ここまで徹底した設定の伴う幻の世界を語らせる根拠や信念」は何処から来ているのか、その疑問を解消し得る決定的な「答え」には、結局私は今だに辿り着けていません。

 

 ただ彼女が、「自分の願望や思い込みをある程度、無意識に再現出来てしまう能力の保有者」であるとしたら・・
 そう考えると、何とか彼女という存在の能力と世界観も「事実」として受け止める事が出来ない事もありません。

 

 実際、彼女の「霊能者」としての実力は相当な物なのです。

 

 彼女は、自身を「霊能者」とは名乗っていないため、そこから報酬を得ての活動はしていませんが、現在日本の社会において、「霊能者」という職業で生計を立てている人は大勢存在すると思われます。
 そして、その中でも頻繁にテレビ出演などしているような有名な霊能者ともなると、もはや霊能者というよりは「タレント」に近く、自らが手にする「割のいい報酬のため」に、バラエティー番組等において、平気で「やらせ(つまり虚偽の能力披露)」演出等に協力しているような実態が常習化しているようにも感じられます。

 

 それに対し、彼女は霊視能力をはじめ、他の霊的存在と対話したり、彼女単体では知りようがないはずの情報を霊的なネットワークでもって把握したりする驚異的な能力の保有者ですが、その心は「天使」のように純粋かつ善良で、自分自身の能力を私利私欲のために利用しようとするような所は一切ありません。

 

 高い霊能力の持ち主であると同時に、ブロガーとしての活動等で既に有名で、尚且つ容姿端麗な女性である彼女は、本人がその気にさえなれば、いつでも高収入が期待できる人気タレントを兼ねた霊能者としてデビューする事が容易にできると私は思います。

 

 しかし、それでも目先の「欲」には一切目もくれず、「貧しい人々の気持ちを理解するため」にと言い、その余生を自ら望んでを貧困の中で終えようとしている彼女こそ、仮に「天使」でなかったとしても、「聖人」と呼ぶにふさわしい人物であることだけは確かなのかも知れません。

 

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参考記事  :『天使の友人(メニュー)

ある聖人の足跡』