· 

「アダムとイブ」


 

 ※フィクションではありません

 

 今は大変な時だ。( 参考:『救世主 神月美香』)

 私の周囲に私の言う事を本気で理解してくれる者など誰も居ないのが現実だ。

 だが今、この状況となってしまっては、私が匙を投げて何もしなくなってしまったら美香は死ぬ。

 もう、そう遠くない日のうちに確実に死んでしまうだろう・・

 

 どう考えても、今、美香の延命のために一番必要であり、今までそれが殆ど満たされなかったがために、彼女の心身をここまで蝕んで来た物は、「愛」という、「神」としての美香を構成している一番大切な要素だ。

 本来、この宇宙の「愛の最高神」である彼女が絶えず人々に送り続けて来た「愛」は、人々からも彼女へ還元される必要があり、現在の彼女は、その滞りによって自身の中の「愛」を枯渇させ、その限界(死期)を確実に早めさせられてしまっているのだ。( 参考:『愛の神の役割り』)

 

 美香が死んでしまっては全てが後の祭りだ。

 彼女が生きているうちに世に理解させられない事を死後に周知など出来るはずがないからだ。

 今、私はどうしても、自分一人の力で世の人々へ、「神月美香」が「神」であることを、今の美香を死の脅威から救い出すためには、「あなた方が美香の存在を認め『理解』という『愛』を送り返してくれねば、彼女は確実にもうすぐ死ぬのです」と、伝え続けなければならないのだ・・

 

 正直、もう疲れてきた。

 こんな事を私が考えるようになっては本末転倒だが、神や美香に対して腹立たしい気持ちさえ芽生え始めている。

 何故、私一人がこんな事をしなければならないのだ!?

 いずれはこういう状況になる事を神や美香は知っていたのかも知れない・・いや、知っていたはずだ。何もかも分かっていて、敢えて私に一切の「道」を示すことなく、一人で考え手を尽くす試練を与えている気がしてならなくなった。

 

 私は自分自身が実は「神」である(※関連記事)という事を告知されてからまだ一年にも満たない。

 美香と出会ってから多くの事を教えられては来たが、それでもまだまだ分からないことだらけの不安の多い「神」なのである。

  それなのに、私は今、美香を含めた天の神々から、自分が「神として」今のこの状況をどう乗り切るのか試されている気がしてならない・・

  

 ただ、今の自分が何故こんな事に巻き込まれる事になったのか、そもそも「神月美香」とは自分にとってどんな存在なのか根本の所に帰って考えたくなり、今はネット上に忘れられている彼女の「過去ブログ」を拾い上げ、今の自分を納得させられる「答え」を探すために目を通し直していた。

 

次記事へ>